1.細部へのこだわり
[01]コインスペースの工夫
コインケースは上図のように『新発想の構造(※)』でカードとコインの重なりを無理なく解消し、財布の薄さを実現しました。
※ 財布の下方向に『空き』を作り、そこに一枚革を折りたたみ、その端部から10mm離れた位置から縫い始めることで、コインを入れた際に自然にコインケース下部がふくらみ、『空き』を埋める。さらに、財布の折り目でコインケース端部が押されることで、よりふくらみが大きくなり、収納力がアップする構造
[02]カードケースの工夫
カードケースは立体構造になっており、カードを5〜6枚収納可能です。
カードはまとめて収納するため、カードの厚みをなるべく逃がし、カードが入りやすいようにケース下部の両角を切り欠けにしました。
[03]コンパクトさを保つ工夫
カードケースを財布外形のギリギリまでもってくるため、またカードを収納するスペースにゆとりを出すために、カードケース片側(本体革と合わせて縫う側)は巻き込み構造にしました。
縫い代がない分、財布全体のサイズを縮小でき、かつカードケースの自然なふくらみによりカードの収納がより楽になります。
2.パーツへのこだわり
[01]ファスナーへのこだわり
ファスナーはYKK社の「EXELLA(エクセラ)」を採用。ファスナー部分の品質の良さはもちろんのこと、財布用につくられた薄くて平たいスライダー(持ち手)を使うことで、財布の厚みを最小限にし、つまみやすくなりました。
[02]ホックへのこだわり
明治創業の老舗メーカーがつくるジャンパーホック。
わたしたちが出会った中で最薄のホックで、『コーナーストラップ®』の留め具に採用しても引っかかりがほとんどありません。
ホックを付け外しするときの感覚「ばね味(あじ)」も「ちょうどよく」、品質の良さを感じさせます。
小さく薄い形状でも損なわれない「機能性」と、薄さによって引き立つ「美しさ」をぜひ体感してください。
3.革へのこだわり
[01]厚みへのこだわり
私たちは革職人として、牛ヌメ革への強い思い入れがあります。ヌメ革はコバ(革断面)を美しくなめらかに磨くことができ、使うほどに風合いを増していきます。
薄い革財布は革を薄くすれば簡単に実現します。しかしそれでは革の耐久性を落とし、さらにコバを美しく磨くことができません。
外革は厚さ1.8mmを、内革は1.0mmを使用しています。
これは通常の折財布と同等の革の厚みです。
通常と同じ革厚で薄いミニ財布を作ることにこだわったのです。
【理 kotowari® 新mini】を持つ方に、このシンプルな革財布を末永くご愛用いただけますことを切に願います。
[02]素材へのこだわり
【理 kotowari® 新mini】では、イタリア・トスカーナ地方で創業100年を超える老舗タンナー<TEMPESTI社>のフルベジタブルオイルドレザーです。北欧の寒冷地で育ったきめの細かい最高級の牛原皮で、一枚の牛革の中でも最高級とされる胴部分(ベンズ)のみを贅沢に使用しています。
植物通常の倍量の脂をじっくりと原皮にしみこませることで、しっとりした重厚感のある風合いに仕上がっています。さらに革の表面を軽く擦って丁寧にオイルワックスを入れ表面を熱プレスすることで、奥深い色合いと透明感のある艶を出しています。基本染料だけで染め上げているため、牛がもとから持っていたキズやシミも特徴と捉え、美しい模様のように浮き出させています。
■「PELLE CONCIATA AL VEGETABLE IN TOSCANA(トスカーナ産植物タンニンなめし革)」の商標タグが付属します 。
「イタリア植物タンニンなめし革協会」はトスカーナに本社と工場を構える中小のタンナーで構成されており、加盟するタンナーは、化学物質を一切使用せず、時間と手間をかけて人や環境に優しい植物タンニンだけでなめす伝統的な手法を用いています。
【理 kotowari® mini-02】に使用しているイタリアンレザーは、「植物タンニンなめし」の革。革本来の特徴が現れやすく、だからこそ味のある質感となります。
合皮やナイロンなど人の手でつくられた均一的な質感の素材と違い、命ある動物の革には、その動物が生きてきたことを物語る傷やシワ、毛穴や虫さされなど、さまざまな個体差が見られます。
革のある暮らしでは、そうした革のもつ質感を大切にした製品づくりを心がけています。1点1点異なる革の表情や色合い等、革の個性をお楽しみください。
キズ・虫さされ
動物同士の喧嘩や引っかいたような傷あと、怪我や虫さされなどは、革表面に色が濃く現れます。天然素材ならではの特徴のひとつです。
血スジ
葉脈や稲妻のようなスジ模様は、皮膚の下にあった血管の痕が革表面に現れたもので、「血スジ」と呼びます。
部位により現れ方はまばらで、自然な風合いを演出してくれます。
トラ・シワ
首から肩にかけた部位でよく見られる縞模様を「トラ」と呼びます。「トラ」は他より丈夫な部位なので、革好きには好まれます。
また、脇の下や腹などの屈曲部には「シワ」が多く見られます。
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