革のある暮らし|財布・小物・バッグの革工房|千葉市・四街道市

革でつくる、革とくらす

革製品のお手入れについて

革はとても丈夫な素材です。お手入れの方法が適切ならば一生モノにもなります。

忙しい毎日ですが、少し時間を見つけてお手入れをしてみる。
その時間が豊かなものになり、生き物からのいただきものを引き継ぐ、そんな気持ちも生まれてきます。
自身の持ち物の手入れをし、大切に使い続けることで、より「革との暮らし」を楽しめることと思います。
革もきっと喜んで、あなたのそばにずっと寄り添ってくれるはず。

〜革のある暮らし〜 そこには少しあたたかい時間が流れています。

革製品の基本ケア
<お手入れ4つのタイミング>
【1】使用前

① ブラッシング&クリーム(*1):
馬毛などの柔らかいブラシをかけて汚れ・ホコリを落とし、ヌメ革専用クリームを塗ります。
② 防水スプレー(*2)をかける
製品から20〜30cmほど離して全体が軽く塗れるまで、ふわっと円を描くようにかけます。
スプレーが乾くまで30分程度待ち、クロスで乾拭きをしましょう。

(*1)クリームの使い方
1.スポンジもしくは、布に少量のクリームを取り、革全体に馴染ませます。
2.布やクロスで乾拭きをして、拭き上げましょう。
※初めてクリームを使う場合:必ずバッグの底面など目立ちにくい箇所で使用後の風合いを確認してご利用ください。

(*2)防水スプレーの使い方
革の通気性を保つことのできる「フッ素系の防水スプレー」をお使いください。
その中でもオススメなのが、「コロニルのウォーターストップスプレー」です。革の通気性を損なわず、多少の栄養も与えてくれます。

防水スプレーにもいくつか種類があり、《シリコン系》と《フッ素系》があります。
ヌメ革に適しているものは《フッ素系》
《シリコン系》スプレーは、革の表面に皮膜を作ってしまい、革が呼吸できなくなります。
《フッ素系》スプレーは被膜を作らないため、革の透湿性を阻害しません。
メーカーは「コロニル社」や「コロンブス社」が有名です。
革製品を購入した際は防水対策も考慮してみてください。
防水スプレーをしていても、革についた水滴はすぐに拭き取って風通しのいい日陰で十分乾かしてください。

【2】使用後のデイリーケア

■ 全体のブラッシング
柔らかいブラシで、左から右、上から下へ、一定方向に5、6回かけるだけで大丈夫です。

【3】時々のケア

簡単ケア
全体を一定の方向にブラッシングし、ヌメ革専用のクリームを塗り伸ばしてください。(目安:1週間~2週間に1度)
本格ケア
柔らかいブラシを全体にかける→クリーナーで汚れを除くクリームで栄養を与える硬いブラシで余分なクリームを落とす→仕上げ専用のクロスで乾拭きして艶を出す(1ヶ月に1度くらい)

【4】長期保管前のアフターケア

① ゴミを掃除機で吸ってから本格ケア
臭いやカビの原因となるゴミを掃除機でしっかりと取り除き、本格ケアを。
② 詰めものをして袋に入れて保管
型くずれを防ぐため詰めものをして、ホコリがつかないよう袋に入れて保管を。

保管について

革製品を保管する際は、ホコリ等を柔らかい布で落とし、部分的な汚れは水に濡らしてかたく絞った布で軽く拭きます。
日の当たらない風通しのよい乾燥した場所で保管してください。

保管している革製品のメンテナンス

【用意するもの】

  • 保革専用クリーム
  • 柔らかい布
    (いらないTシャツも可)
  • 通気性の良い布
    (不織布など)
  • 除湿剤または乾燥材
  • 炭やアロマサシェ
    (消臭効果のあるもの)
STEP1:風通しの良い日陰で干す

しまい込んでいた革製品から湿気を抜くため、風通しの良い場所で陰干ししましょう。

【注意!】直射日光に当てたり、温風に当てたりするのはNGです。

STEP2:保革専用クリームで栄養を与える

はじめに、革の状態を確かめましょう。カビなどがなければ、保革専用クリームで適度に栄養を与えてください。

【注意!】カビが生えていたら対応が必要です(「カビ予防・カビの応急処置」参照)。

STEP3:通気性の良い袋に入れる

不織布などの通気性の良い袋に革製品をしまいましょう。革製品を湿気から守るためには、風通しの良さが重要です。

【注意!】ビニールや厚みのある袋はNG
【注意!】袋に入れないとホコリが溜まり、汚れやカビの原因になるのでNG

STEP4:除湿剤や乾燥材を一緒に入れる

革製品をしまう袋に除湿剤や乾燥材も一緒に入れましょう。
炭やアロマサシェ(香袋)も入れるとニオイも気になりません。

【注意!】直接革に触れると変色する可能性もあるので、気をつけて保管してください。

STEP5:風通しの良い場所にしまう

革製品を入れた袋を風通しの良い場所にしまいましょう。クローゼットなどの場合は、なるべく上段がおすすめです

【注意!】バッグは立てるなど、ほかの物と適度な間隔を空けるよう気をつけて保管しましょう。

革が濡れてしまったら…

近年はゲリラ豪雨などの大雨、突然の雨など、外出時に予期せぬ水濡れに見舞われる機会が増えています。
お気に入りの革製品をバッグに入れていたのに、バッグごとずぶ濡れ、なんてこともありえます。
そんな革製品が濡れてしまったときのメンテナンスの方法をご紹介します。

<濡れた革製品のメンテナンス方法>

【用意するもの】

  • 柔らかい布
    (いらないTシャツでも可)
  • 新聞紙
  • 保革専用クリーム
STEP1:乾いた布で拭く

まずは、乾いた布で全体の水分を拭き取ります。
水分を布に移すイメージで、柔らかい布をポンポンと軽く押し当てましょう。

【注意!】固い布で強くこすると、革の変形や、摩耗によって革表面に傷が入り色落ちや色褪せの原因にもなります。
【注意!】必ずきれいな布を使いましょう。汚れが革に付くとカビの原因になります。

<絶対にやらないでほしいこと>

◆ドライヤーやストーブなどの温風に当てる
革は耐熱温度を超えた熱が加わると、縮んで変形したり、脂分が抜けて固くなったりします。
特に、水に濡れると耐熱温度は下がるため、急激に縮みやすくなります。

◆直射日光に当てる
屋外や日当たりのいい室内で乾かすのもNG。
直射日光でカラカラに乾燥した革は、硬化・変形に加え、最悪の場合はヒビ割れてしまいます。

STEP2:中に詰め物をする

内側から水分を取り除き、バッグなどは型崩れを防ぐため、新聞紙を丸めたものをタオルなどの柔らかい布でくるみ、まんべんなく収まるよう革製品の中に詰めましょう。

【注意!】新聞紙をそのまま詰め込むと、インク移りの可能性があるため、必ずタオルなどで包みましょう。

STEP3:風通しの良い日陰で干す

風通しの良い日陰に革製品をおいて自然乾燥させてください。
※内部の布や金属パーツなどの細部までしっかりと乾くのを待ちましょう。

【注意!】陰干しが鉄則です。人の日焼けと同様に、動物の革も紫外線の影響を受けます。

STEP4:保革専用クリームで栄養を与える

濡れてしまった革からは、油分や水分が失われています。
そのままにすると必要以上に水分が抜け、シワやひび割れの原因になるため、保革専用クリームをなじませて栄養を与えましょう。柔らかい布にクリームを適量つけて、革製品全体を磨いてください。

<ヌメ革には要注意!>
本革といっても、その製造方法で2種類の革に分けられます。
動物の「皮」を「革」にするための製造工程が「鞣し」。鞣しには、タンニン(植物の渋)鞣しとクロム鞣しの2種類があり、そのうちタンニン鞣しが施された革で代表的なものが「ヌメ革」です。
「革のある暮らし®」でも主に使用している「ヌメ革」。ヌメ革はナチュラルな風合いが魅力ですが、水染みが目立ちやすい革でもあります。特に、購入したばかりは注意が必要です!
革は使うほどに、手の皮脂や内側からにじみ出る油分の膜で水をある程度はじくようになりますが、新品の場合はコーティングされていない状態なので、すぐ染みになります。

色移りについて

天然皮革は、色移りや色落ちをします。
濡れたり汗をかいた状態での使用や、白や薄い色の服をお召しの際は、十分にご注意ください。

◆逆に、濡れたデニムの色が革についてしまった…という時には
1.柔らかい布で乾拭きをしてホコリを落としてください。
2.革専用のクリーナーを柔らかい布に少量取って優しく撫でるように拭き取ってください。
※ 必ず目立たない箇所でお試しのうえ、ご使用ください。
→上記の対応をしても、色素が染み込んで定着してしまった場合は色が落ちない可能性もあります。

カビが生えてしまったら

久しぶりに使おうと思ったら、カビていた…

<カビが生えやすい条件>
■温度
カビが増える温度は25~28℃です。
※カビが空気中へ撒き散らす胞子はアレルギーの原因にもなります。
■湿度
カビは、湿度が65%以上になると発生75%を超えるとは急激なスピードで増殖します。
※90%以上になると数日で目に見えるまで生えてきてしまう場合も。
■栄養
カビは、手の脂などの汚れやホコリ、革用クリームの拭き残しなど有機物質を栄養にして増殖します。
※タンパク質が主成分であり油分なども含まれる革は、カビが生えやすいのです。

<革クリーニングのプロに依頼!>
一目でわかるカビの場合、見えない革の内部にまでカビが入り込んでしまっているので、お家での対応は困難です。
自己流で解決しようとすると、革をかえって痛めるなど失敗のリスクも高まります。
大切なものを長く使いたい場合であれば、専門業者に持っていくのが最も確実な対応です。

<初期のカビへの応急処置>
すぐに業者に持っていけないとき、初期のカビであれば以下の方法で取り除ける可能性もあります。

STEP1:濡れタオルで拭く

固く絞った濡れタオルでカビを拭き取ります。
(濡れタオルは、使い古しのTシャツなどの柔らかい布でも代用できます。)

【注意!】革を傷めないよう、ゴシゴシとこすらず、たたくようにして拭きましょう。
【注意!】カビの胞子をばらまかないように必ず作業は屋外で行ってください。

STEP2:天日干しをする

日光に当てて天日干しをしてください。紫外線によりカビを殺菌する作用があります。
※カビが生えた場合に限ります。
小まめに状態をチェックして、乾いたらすぐに保革専用クリームで栄養を与えましょう。

【注意!】水滴がついた状態で日光の下にさらしたり、長時間高温な場所に放置するのはNG。革の収縮や痛みの原因となります。

革のベタつきが気になる…

久しぶりに使おうと思ったら、革がベタベタに…
これは主に「エナメル」や「合成皮革」を使用した製品で多く起こるトラブルです。

<ベタつきの原因>
■空気中の湿気による「加水分解」
加水分解とは、ウレタンやエチレン等の合成の化合物が湿気と反応し、分解されることで起こる現象です。
製品の加工で使われているコーティング剤や接着剤などが加水分解され、ベタベタの原因になります。
■合成樹脂の劣化
合皮は布地に合成樹脂を塗布することで、見た目を本革に似せる一種の加工素材です。
経年で樹脂の劣化が進み、ベタベタが出てきます。
■芯地(しんじ)に使われている接着剤の染み出し
素材同士がヨレないよう、芯地を合皮と合皮の間に接着剤で貼り付けてから縫っている製品の場合、接着剤が経年劣化で製品の表側に成分が染み出てきてベタベタの原因になることがあります。
■手垢や皮脂汚れ
バッグの持ち手部分など、使うことで手垢や皮脂が徐々に製品に残り汚れが蓄積されてベタベタになることがあります。手垢や皮脂汚れはそのままにしておくと変色やくすみの原因にもなります。

カビ同様、ベタつきも専門の業者に持っていくのが一番良い対処法ですが、あくまでも応急処置として、以下の方法をご紹介します。

<重曹で取り除く>
ポリウレタンの劣化で起こるベタベタの原因は酸性なので、アルカリ性の重曹を使うことで中和して取り除きます。

【注意!】エナメル素材は表面のコーティングがはがれやすいのでおすすめしません。

【用意するもの】

  • 重曹
  • 40~45℃のぬるま湯
  • 歯ブラシ
  1. ぬるま湯1リットルに重曹大さじ4杯の重曹水を作る
  2. 重曹水を歯ブラシに付けベタベタ部分を優しく丁寧に磨く
  3. 磨いた箇所は水を絞った布で優しく拭く
  4. 乾いたタオルで水気をしっかり拭き取り、風通しの良い日陰で乾燥させる

※2、3の作業では、力を入れ過ぎないよう注意!

<無水エタノールで拭く>
エタノール含有濃度が99.5%以上の無水エタノールを清潔な布にしみ込ませて拭くと、製品表面のベタベタを落とすことができます。

【注意!】製品表面のコーティングが剥がれてしまうこともあるので、エナメル製品やコーティング部分にはおすすめできません。

<クリーナーを使う>
コーティング剤の加水分解による、バッグの持ち手部分や財布のふちなどのベタベタは、合皮やエナメル素材にも使用できる「革製品用のクリーナー」を利用してみてください。素材へのダメージが少なくおすすめです。

革の特性を知っておこう!

基本的に革は水に弱いので、濡れた手で触ったり、水のはねる場所の近くには置かないことが大切です。
ただ、革の中でも比較的水に強い革もあるので、知っておくと商品を選ぶときに少し役立つこともあります。

<オイルドレザー>
「革のある暮らし®」でも多くの商品に使っています。
動物油で鞣された革や、タンニン鞣しの工程で油分を豊富に含ませた革は、通常の革より含まれている油分の量が多く、少量の水ならはじくことができます。

<スエード・ベロア>
表面を起毛させた革なので、水がついても表面張力で中まで浸透しにくくなっています。
防水スプレーをかけることで撥水性が増す場合もあり、スプレーをかけた後ブラシで少し毛を立たせるようにすると、さらに防水の効果が期待できます。

<ガラスレザー>
エナメルと似た見た目ですが、皮を鞣した後にガラス板やホーロー加工した鉄板に貼り付けて乾燥させ、表面の傷やしわを削ってから合成塗料を分厚く塗っているので、撥水効果や耐久性があります。

安心の水対策

水に弱い革製品も、事前に水に対抗するためのお手入れをしておけば、急な雨でも焦らずに済みます。
ここではページの冒頭「使用前のお手入れ」でも紹介した、水が革に染み込まないようにするための<簡単なお手入れ方法を2つ>あらためて記載しておきます。

「クリーム」や「ワックス」を塗って、汚れや水から革を守ろう!

■オススメは「ラナパー」
「ラナパー」は革製品や家具に使われるワックスで、天然素材の蜜蝋(みつろう)からできています。
撥水性を高める効果があり、汚れや水から革を守ってくれます。

■塗り方
①ホコリや汚れをなるべく落とした綺麗な状態の革に、少量の「ラナパー」を薄く全体に伸ばして塗る
②風通しの良い日陰で自然乾燥で乾くまで待つ
③優しくブラッシングしてなじませる

【注意!】多く塗りすぎると革の呼吸を妨げて、革の状態を悪化させることもあるので、くれぐれも使いすぎないように。
【注意!】塗ると革の色が少し濃く変化してしまうので、今の色味を楽しみたい人は防水スプレーを使うのがおすすめです。

■頻度
革を触ったときに「カサカサしてるな」「かたくなってきたかな?」と思ったら、お手入れしてあげましょう。
乾燥する冬は月2~3回、湿気の多い梅雨時期は月1回を目安にしてもよいかと思います。

防水スプレー」で撥水効果を高めよう!

■オススメは「コロニル ウォーターストップ」
新品のヌメ革のような、風合いが変化しやすい皮革にも使用できます。
革の通気性を損なわず、多少の栄養も与えてくれます。

■使い方
①ホコリや汚れをなるべく落とした綺麗な革の状態で、20〜30cmくらい放して全体が軽く濡れるまで、ふわっと円を描くように防水スプレーをかける
②濡れた感じの革が乾くまで(30分程度)自然乾燥させ、クロスで乾拭きをしましょう。
※乾いたら再度、スプレーをして乾かすとより効果的です。

【注意!】初めてスプレーを使う革には、シミにならないか目立たない場所で試してからお使いください。
【注意!】1点に集中してスプレーすると、シミになってしまいます。

一般的に、フッ素系の防水スプレーの効果は長持ちしません。
しかし、繰り返し使うことで革の撥水性を高めることができますので、定期的な使用をおすすめします。

返金保証について

返金保証について

革のある暮らしでは、お気に召さなかった作品については、ご返品を承っております。
公式オンラインショップ(Creema・minneを除く)でのご購入の場合で未使用品に限りますが、安心してご購入いただけるよう今後も努力していきます。
ご返品をご検討の際は、詳細をご覧ください。

オリジナルノベルティ制作を承ります

「お客様にオリジナルノベルティをプレゼントしたいけど、どうしたらよいだろう?」とお困りの経営者の方は多いのではないでしょうか。
革のある暮らしでは、小ロットからのオリジナル革製ノベルティの制作を承っております。
革製品は多くの方に喜ばれるノベルティになると思います。
お気軽にご相談ください。
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